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2026年10月2日 2026年版中小企業白書を読み解く 倒産・廃業の今を読む

11年ぶりに倒産1万件を超えた

2026年版中小企業白書が、経営者にとって衝撃的な数字を示しています。2024年の全国企業倒産件数は10,006件と、2013年以来11年ぶりに1万件を超えました。

コロナ禍の資金繰り支援によって一時的に抑えられていた倒産が、支援縮小とともに水面下からあふれ出しています。物価上昇・人件費高騰・金利上昇が同時に企業経営を直撃し、収益改善が追いつかない企業から順に力尽きていく構図が鮮明になっています。この数字を「他人事」と片付けられる中小企業経営者は、多くないはずです。

廃業は倒産の7倍、静かな退場が増加

注目すべきは、倒産よりもさらに大きな動きです。法的整理に至る前に自主的に事業をたたむ「休廃業・解散」は2025年に約68,000件と、倒産件数の約7倍に達しています。廃業時の経営者の平均年齢は71.5歳と過去最高を更新しており、後継者不在と高齢化が廃業の大きな背景となっています。ニュースにはなりにくいこの「静かな退場」こそ、地域経済が今まさに直面している現実です。

黒字のうちに決断できているか

さらに深刻なのが、廃業する企業の財務状況の変化です。廃業直前に黒字だった企業の割合は低下傾向が続き、2025年には調査開始から初めて50%を下回りました。

つまり廃業企業の半数超が、すでに赤字になった状態で事業をたたんでいるということです。黒字のうちに廃業を決断できれば、従業員への影響を最小化し、取引先への迷惑も抑えることができます。しかし財務余力を失ってからでは、その選択肢も消えてしまいます。

「出口を選べる状態」が経営戦略になる

経営の継続だけでなく、「いざとなれば出口を選べる財務状態」を保つことも、これからの時代の経営戦略の一つです。手元の現預金は何か月分の売上に相当するか、純資産は増えているか減り続けているか。こうした数字を定期的に点検する習慣が、いざというときの選択肢を守ります。

倒産でも受け身の廃業でもなく、「自分の意思で次の一手を選べる状態」を維持し続けること。それが今、中小企業経営者に問われているテーマなのかもしれません。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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