記事投稿日:2026.09.25
従業員・役員の退職金を一緒に支払う場合
従業員が役員に昇格した場合、昇格した方の従業員分の退職金については、次の2つの取扱いが考えられます。
| ① 役員就任時に従業員分の退職金を精算し、支給する方法(打切り支給)
② 役員を退任する時まで、従業員分の退職金支給を繰り延べる方法 |
国税庁HPに、②の源泉税計算の一例が掲載されています。確認してみましょう。
| <事例> 令和7年3月31日、A氏は、役員として勤務していたB社を退職し、退職金3,500万円が支給された(内訳:従業員分2,500万円、役員分1,000万円)。
<A氏のB社での経歴> 勤続期間 H13.4~R7.3(24年間)
※ R3.4~R5.3(2年間)は、使用人兼務役員として勤務(重複期間) |
この事例では、①役員の勤続年数が5年以下であるため、役員分の退職所得は1/2を乗じないこと、②役員と従業員の勤務の重複期間は、役員側の控除を「20万円×重複期間」で計算することがポイントです。
退職所得の計算手順をチェック!
まず、A氏のトータルの勤続期間(24年)の退職所得控除額を計算します(A)。
| 800万円+70万円×(24年-20年)
=1,080万円 |
次に役員分(4年)の控除を求めます(B)。
| (重複していない期間)40万円×2年
+(重複期間)20万円×2年=120万円 |
従業員分の控除額は、AからBを控除した残額960万円(1,080万円-120万円)となり、まとめると次表のとおりとなります。
| 収入金額 | 控除額 | 差引金額 | |
| 役員分 | 1,000万円 | 120万円 | 880万円 |
| 従業員分 | 2,500万円 | 960万円 | 1,540万円 |
| 合計 | 3,500万円 | 1,080万円 | ― |
退職所得は、従業員分のみ1/2を乗じて1,650万円(役員分880万円+従業員分1,540万円×1/2)と計算されます。
退職所得の源泉徴収票に記載する事項
これに速算表等を適用し、源泉徴収税額399万1,089円、特別徴収税額165万円を算出します。なお、退職所得の源泉徴収票の「摘要欄」には、①役員分の支給額、②役員としての勤続年数、③重複勤続年数などを記入しますので、注意しましょう。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。



