業況はコロナ後の最高値から足踏みへ
中小企業庁が発表した2026年版中小企業白書によると、中小企業の業況判断DIは2023年第2四半期に1994年以降の最高水準を記録した後、低下に転じ、現在も足踏みの傾向が続いています。新型コロナウイルス感染症の影響から一時的に回復したものの、その勢いは長続きせず、製造業・建設業・サービス業いずれも2023年以降は伸び悩みの状況が続いています。経営環境の厳しさは依然として続いていると言わざるを得ません。
売上は増えても利益の格差は広がっている
売上高は増加傾向にあるものの、経常利益の面では大企業との格差が拡大しています。財務省の法人企業統計によると、中小企業の1四半期当たりの平均経常利益は大企業の約3分の1にとどまっており、その差は広がる一方です。
売上が伸びているのに手元に残る利益が増えにくいという状況の背景には、ウクライナや中東情勢の不安定さによる原材料費や人件費などコスト増加分を販売価格に十分転嫁しきれていないことや、大企業と比較した労働生産性の伸び悩みがあると考えられます。
業種別の差に経営改善のヒントがある
業種ごとの経常利益の推移を見ると、製造業や建設業が相対的に高水準を維持しているのに対し、宿泊業や飲食サービス業は依然として低迷が続いています。自社の属する業種が業界全体と比べてどのような位置にあるのかを客観的に把握することは、今後の経営の方向性を考える上で非常に重要な手がかりになります。同業他社の平均数値と自社の収益構造を比較することを、ぜひ一度試みてください。
今こそ「稼ぐ力」を点検する好機
今回の調査では、中規模企業の最大の経営課題は「人材確保」、小規模事業者では「受注・販売の拡大」であることが明らかになっています。業況の足踏みが続く中でも、付加価値を高め「稼ぐ力」を磨くことが、大企業との利益格差を縮める上で不可欠です。まずは自社の付加価値額と一人当たりの労働生産性を正確に把握し、どこに改善の余地があるかを点検することから始めてみてください。その数字の中に次に打つべき手が必ず見えてきます。



