記事投稿日:2024.10.03
「フリーランス」と「発注事業者」
令和6年11月1日に施行される「フリーランス・事業者間取引適正化等法」の目的は、以下の2点とされています。
- フリーランスと発注事業者間における取引の適正化
- フリーランスの就業環境の整備
法律における「フリーランス」と「発注事業者」の定義は、以下の通りです。
フリーランス | 業務委託の相手方である事業者で、従業員を使用しないもの |
発注事業者 | フリーランスに業務委託する事業者で、従業員を使用するもの |
従って、従業員を使用しているフリーランスや、消費者相手に取引するフリーランスは、この法律では対象外となります。
発注事業者のフリーランスに対する義務
フリーランスに対する下請保護の性格が強いのですが、この法律によって、発注事業者がフリーランスに対して以下の義務が生じることになります。下請法と異なり、発注事業者に資本金などの区分はないため、注意が必要です。
義務項目 | 具体的な内容 |
① 取引条件の明示 | 取引条件を直ちに書面等により明示すること |
② 期日内支払 | 60日以内の期日内支払 |
③ 禁止行為
※1か月以上の業務委託に限る |
〇受領拒否〇報酬減額〇返品 〇買いたたき
〇購入・利用強制 〇不当な経済上の利益提供の要請 〇不当な給付内容の変更・やり直し |
④ 募集の表示 | 虚偽や誤解与える表示の禁止など |
⑤ 育児介護への配慮 | 6か月以上の業務委託の場合、育児介護等へ配慮 |
⑥ ハラスメント対応 | フリーランスに対するハラスメント防止措置 |
⑦ 中途解除の事前予告・理由開示 | ・6か月以上の業務委託は30日前までに予告
・解除理由の開示義務 |
なお、業務委託契約であっても、実態が雇用の場合、「労働者」として保護されます。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。