第一表に変更なし
令和5年分の確定申告書第一表は、前年令和4年分の確定申告書から変更はありません。全体を見ても、影響のある変更点があるのは一部の人に限られています。
第二表の親族欄に変化あり
親族欄の「国外居住」の部分については、〇印を書き込むようになっていた部分が、配偶者以外の扶養親族部分について四角に変更となっています。この四角については、1.16歳以上30歳未満又は70歳以上 2.留学により国内居住でなくなった人 3.障害者 4.生活費等の支払を38万円以上受けている人 5.16歳未満もしくは2~4に該当しない人、という該当項目の数字が入ります。扶養控除を受けられない5以外に該当する人については、親族関係書類や送金関係書類等の添付が必要になります。なお、年末調整で扶養控除又は障害者控除の適用を受けている場合は、源泉徴収義務者(会社)に書類の提出や提示を行っているため、確定申告時に添付は不要です。その場合隣の「年調」部分に〇印を付けます。
第二表のなくなった項目
令和4年分の申告書にはあった「住民税・事業税に関する事項」内の「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」の欄がなくなりました。これは令和4年度税制改正にて、上場株式の配当・譲渡所得等の課税方式が、所得税と個人住民税で統一されたためです。
以前は配当控除の所得税・住民税の差異を利用し、課税所得が900万円以下であれば、節税効果を期待して所得税は総合課税で申告、住民税は申告不要とすることができましたが、令和5年からは別々の申告方式が取れなくなりました。今後は課税所得が695万円以下であれば総合課税申告がお得ですが、以前と比べると差異はあまり出なくなりますし、国民健康保険料等、税額以外の要素にも注意が必要です。
その他の変更項目
青色申告決算書や収支内訳書については、インボイス制度に対応した登録番号を記載する欄が追加されました。他には特定非常災害に関連する損失の繰り越し控除期間の延長等による第四表付表一の変更、納税地の異動又は変更の届出書の提出が不要となるなどの変更があります。