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2020年4月1日 マンションの購入と消費税

不動産業者の話です

不動産業者が転売目的でマンションを購入し、売却できるまでの間賃貸用に供していた場合や、元々賃貸用に供していたマンションを居抜きで購入し、賃貸収入を得たのち転売した場合の消費税の取り扱いです。

現在の税務当局の判断

平成24年1月19日の国税不服審判所の裁決の事例(マンションを転売目的で居抜きで取得した事例)では「当該各建物はその取得時において住宅の貸し付けの用に供されていたから、これらが販売を目的として取得されたものであるとしても、その取得は、課税仕入れに係る消費税の控除額の計算において、『課税資産の譲渡と課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ』に該当する」とした税務当局の判断を是とし、納税者の「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れである」という主張は退けられました。

過去の税務当局の判断

平成9年に東京国税局の調査審理課において作成された「質疑事項回答整理表」には同様の事例に対して、「マンションを購入した際に賃貸収入(非課税売上げ)が生じているが、これはあくまで居抜きで購入したために副次的に得た対価であるため、課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れとして差し支えない」と言っています。

庶民はしたたか

平成9年当時の判断を逆手にとって以下のような事例が多発しました。

不動産業者だけではなく不動産所得を申告している個人までもが、転売目的と称してマンションを購入し、消費税の仕入税額控除により多額の消費税の還付を受け、いつまでも転売しないというケースです。

消費税法の矛盾

消費税法は、所得税法や法人税法と違い売上げと仕入れが同じ課税期間にあるわけではなく、必ずといっていいほど仕入れが先行します。そして仕入税額控除は仕入れた課税期間で完結しなければならないので、その結果から遡って課税仕入れか、非課税仕入かを判断することはできません。そこが矛盾となって国税当局も四苦八苦するのだと思います。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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