記事投稿日:2020.01.16
連結納税制度の見直し(グループ通算制度)
令和2年税制改正では、企業グループ全体を一つの納税単位とする現行の連結納税制度に代えて、企業グループ内の各法人を納税単位としつつ、損益通算等の調整を行う「グループ通算制度」へ移行することとなりました(令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用)。
納税主体等
連結納税制度 | グループ通算制度 |
親会社が法人税の申告・納付を行う
(各子法人は個別帰属額等の届出書を提出) |
親法人及び各子法人が法人税の申告・納付を行う
(個別申告方式) |
適用法人
連結納税制度と同様に次の法人について適用されますが、グループ通算制度では、適用法人のすべてが青色申告法人であることが前提となります。
① 内国法人である親法人
② ①と完全支配関係がある全ての子法人(外国法人等を除く) |
また、この新制度では、企業グループ内の各法人に電子申告義務が課されます。
事業年度
適用法人の事業年度は、連結納税制度と同様に、親法人の事業年度に合わせた「みなし事業年度」となります。
損益通算及び欠損金の通算
個別申告方式となることに伴い、損益通算・欠損金の通算の計算は、企業グループ内でプロラタ計算をすることとなりました。
〈グループ通算制度の損益通算〉
① 欠損法人の欠損金額の合計額※ | 所得法人の所得金額の比で配分
(所得法人側で損金算入) |
② 所得法人側で損金算入した金額の合計額 | 欠損法人の欠損金額の比で配分
(欠損法人側で益金算入) |
※ 所得法人の所得金額の合計額を限度
開始・加入時の時価評価等
適格組織再編成と同様の適格要件に該当しない場合には、時価評価の対象となるとともに、繰越欠損金もグループに持込み禁止となります。また、新制度では親法人も時価評価等の対象となります。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。