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2019年4月19日 効果の上がらない金密輸対策

金の密輸対策消費税

金の密輸対策として、昨年は、高額密輸脱税の罰金が脱税額止まりだったものを10倍にするという厳罰化による密輸防止という税制改正が行われましたが、今年は密輸防止ではなく、密輸品の流通阻止が税制改正に取り上げられています。

金密輸の推測される実態

報道によると、金の密輸は2014年の消費税8%引き上げ後に急増し、税関による2017年の摘発件数は前年比1.6倍の1347件、押収量は同2.2倍の約6.2トンと、いずれも過去最多でした。2018年の押収量の年間推計では税制改正の効果があってか、半減以下の約2.5トンの予想ながら、摘発件数は変わらない高止まりのまま、のようです。罰則強化の効果が、件数の減少ではなく、小型化になっている、ように見えます。

2017年に日本から輸出された金は215トンなのに対し、正規の輸入は5トンに過ぎません。日本国内での都市鉱山を主とする金の産出量や消費量から判断すると、財務省は輸出量のうち160トン程度が密輸された金で、消費税の脱税額は年640億円に上る計算と見ています。

2019年10月からの消費税10%化は、この流れを加速すると見るのは必然で、税関での監視の強化には抑止の効果はあっても、退治や絶滅という効果を期待できそうにない以上、別な対策が必要です。

金の密輸入から金輸出の流通経路

密輸の金は、密輸業者から金の買取り業者に転売され、ここで密輸業者への消費税分の利益提供となり、さらに、国内消費に廻らなかったものが大手商社数社に転売され、国外に輸出され、その時に輸出免税として金仕入に伴う消費税の控除や還付がなされます。金の輸出には税関長の許可が必要で、国際取引でも信用が欠かせないため、金輸出の殆どは、大手商社が担っています。

この流通ルートに密輸品が紛れ込むことを防止するのが、2019年税制改正の狙いで、故意取引の適格仕入取引否認と、課税仕入の適格要件の厳格化が次のその内容です。

①密輸品と知りながら行った課税仕入について、仕入税額控除制度の適用を認めない

②金又は白金の地金の課税仕入について、本人確認書類の写しの保存を仕入税額控除

の要件に加える

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