税務上の従来の処理
「原則として商品券を発行した時に受領した対価の全額を益金に算入する。」とされておりました。また、消費税は非課税取引とされておりました。10,000円の商品券を発行した場合の経理処理は以下でした。
商品券発行時
(現金)10,000 (商品券売上)10,000
商品券で買い物した時
(商品券売上)10,000 (売上)10,000
(現金)800 (消費税)800
会計上は従来から、こういった処理は収益の認識としておかしいという指摘があり、税務署長の確認を受けて以下の処理も認めてきました。
商品券発行時
(現金)10,000 (前受金)10,000
商品券で買い物した時
(前受金)10,000 (売上)10,000
(現金)800 (消費税)800
ただし、5年たっても未引換の商品券がある場合はその全額を益金の額に算入する。
税務上の新しい処理
2018年12月31日以後に終了する事業年度から新会計基準を取り入れ、以下の処理を原則的な処理としました(税務署長の確認は不要となりました)。
商品券発行時は(前受金)処理で従来と同じです。
商品券で買い物をした時
(前受金)10,000 (売上)10,000
(現金)800 (消費税)800
※(前受金)1,000 (雑収入)1,000
(※顧客が商品券を使わないと見込んだ分)
処理は煩雑となります
使われた商品券の発行年度の総額が100,000円だとします。その内10%が使われないと見込むと10,000円が使われない見込み分です。今回使用されたのは10,000円で発行年度の総額の10%ということになり、使われない見込み分の10%=1,000円を雑収入で計上することとなります。
雑収入の計上は決算時に一括するにしても、年度ごとの商品券の管理及びいつ発行の商品券が使用されたかの管理も必要で大変煩雑となります。ですから(雑収入)の計上は任意です。ただし、10年経過しても未使用の商品券がある場合は、その全額を益金に算入することとなります。