記事投稿日:2018.12.12
企業体質を強化するために、改革と改善は不可欠です。両者を比較し、活用の仕方・取り組み方を解説しますので、業務の変革に生かして頂きたいと思います。
改革と改善の比較
改革と改善を比較しますと、表に示したように、性質・アプローチの仕方などに相違があります。
①「改革」は業務内容やプロセスについて「あるべき姿」を目指して変革することで、トップダウンで取り組まなければ成功は困難であると言えます。また、複数部門の業務に関わる改変であることから、部門間プロジェクトチームなどでアプローチすることが多いのです。
②「改善」は現状の業務内容・プロセスを部分的に改変することで、主に社員一人ひとりのアイデアで行われます。これは社員の「経営参加」の意味をもちますので、「改善提案制度」で促進されることが多いと言えます。 |
例えば、「人事賃金制度を年功主義から、年齢に関わらない実力主義へ変革すること」は、「改革」であり、「残業手当支払い手続きの簡素化」は、「改善」を指します。
[改革と改善の比較]
区分 | 性質 | アプローチ |
改革 | 業務内容・プロセスの「あるべき姿」を目指した変革 | ・トップダウン、
・部門間プロジェクトチームなどによる |
改善 | 現状の業務内容・プロセスの部分的改変 | ・一人ひとりのアイデア
・改善提案制度 |
改革・改善の成功要因
「改革」の成功要因は
・改革の志を持つ、「The Man(その人)」の存在・改革基本構想の確立・推進組織の編成・巧みな推進マネジメントの4点です。
・「改善」の成功要因は「改善提案制度と運用の巧みさ」に尽きると言えます。改善提案制度」の欠点は一般に「審査に時間が掛かりすぎる点」にあるので、「課長」などに採用権限と、提案の試行・効果検証の上で登録する義務を与えることにより、改善実施・採用のスピードを上げることがポイントです。「改善」の多さは、一般社員の意識を変え、「改革」推進の土壌となります。
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