提出書類等が変わった医療費控除
平成29年の確定申告から、医療費控除の適用に書面提出の場合でも「医療費控除の明細書」を提出すれば、領収書の提出が不要となりました。また「医療費通知」の添付でも申告を受け付けるようになっています。さらに医療費控除のミニ版とも言える「セルフメディケーション税制」も開始されました。各種注意点を挙げてみましょう。
「医療費通知」の利用に注意
保険組合等から送られてくる「医療費通知」、もしくは「医療費のお知らせ」と書いてある紙ですが、①被保険者等の氏名②療養を受けた年月③療養を受けた者④療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称⑤被保険者等が支払った医療費の額⑥保険者等の名称の全てが記載してある場合、申告書に添付する事により確定申告で医療費控除が受けられます。なお、医療費通知だけで医療費控除の内容を全て補完できる場合は内容記載の領収書等の保存義務はありません。
ただ、医療費通知は年末11月・12月の医療費について記載がないケースが多いようです。また、自費診療等の場合は医療費通知に記載はありません。よって医療費通知単体で控除申告する事は難しい年もあるでしょう。未記載の部分については「医療費控除の明細書」の提出が必要となります。併せて明細書に記載した内容の領収書は申告期限等から5年間は保存する必要があるので注意しましょう。
セルフメディケーション税制の注意点
セルフメディケーション税制は、市販されている中で「スイッチ OTC 医薬品」に該当する医薬品を年間1万2千円以上購入している場合、最大10万円までの範囲で所得控除が受けられる制度です。つまり最大8万8千円所得控除が受けられる、医療費控除のミニ版とも言える制度です。
ただし、この控除を受けるためにはセルフメディケーション税制の適用を受けようとする年分に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として「一定の取組」を行っているという証明が必要になります。一定の取組とは、健康診断や予防接種を受けているかどうかです。証明する書類が必要となりますので、健診結果や予防接種の領収書等はなくさないようにしましょう。