年次有給休暇は労働基準法で定められています。労働者の勤務期間に応じて年10日以上の有休が与えられます。(パートタイマーは週の労働日数での付与日数が決められている)来年4月より労働基準法の改正で中小企業も含めたすべての企業に年5日は必ず取るように企業に義務付けされます。
働き方改革の一環で決定されました
年次有給休暇取得は原則働く側が自分で決められます(企業は繁忙期などの業務に支障の出る場合時季変更権はあります)が、会社に遠慮をする等気兼ねをして有休を取りません。厚生労働省調べでは日本の有給休暇取得率は5割を下回っており国は2020年までに7割取得の目標を掲げていますがその達成は難しい状況です。そこで企業側に年5日については本人の希望を聞いた上で取得させる日時を企業が指定し休ませる年休消化義務が課せられる事になりました。
日本の有休取得率
先にも記載しましたが日本の有給休暇取得率はずっと50%前後です。世界30カ国の地域を対象とした旅行予約サイトの米エクスペディアの17年の調査ではドイツ、フランス、スペイン等の12カ国は有給休暇取得率が100%であると言う事です。祝日の日数や有給休暇を企業で計画取得させる等、制度の違いはありますが日本は連続休暇の取得日数は短いと言えるでしょう。日本ではこれまで企業側は労働者側から申し出をしない事を理由に「社員から申し出が無い」と言ってきましたが、これからは労働者に年5日は有給で休ませなければなりません。有給休暇取得日管理簿の作成も求められる見通しです。
有給休暇を取らない理由と今後の対策
第一生命保険の調査で男女1400人に実施した調査では有給取得にためらいを「感じる」「やや感じる」と答えた人は6割超えでした。「職場の人に迷惑がかかる」「後で忙しくなる」男性では「昇給、査定への影響が心配」と言う人も多かったようです。
有休取得を進めるには取得状況を各職場で上司や同僚と共有し、社員が有休を消化できるよう業務量等の調整が必要でしょう。ローテーションのある職場ではその組み方にも工夫が必要とされます。過重労働を防止し休む時はしっかり休んでリフレッシュし、生産性を上げる事が大事でしょう。