記事投稿日:2018.06.14
海外子会社への支援は有償で
海外子会社を軌道に乗せるため、本社から様々な支援が行われる場合が多々ありますが、以前は大目に見られてきたこれらの支援を無償で行っていると、海外子会社への寄付金と認定される事案がこのところ多々見受けられます。
例えば海外子会社の経営指導に社長や役員が出張した場合、その旅費や日当は海外子会社に請求しているのか?
海外子会社が生産している商品や生産技術に本社の特許が使われている場合、特許権の使用料は取っているのか?
例を上げればきりがありませんが、いずれにせよ子会社と言えども別法人ですから、第三者の会社と同じ扱いをする必要があります。
有償で請求した場合の消費税は
今回問題とするのは、子会社に業務委託料やロイヤリティーとして本社が請求した売上にかかる消費税はどう取り扱われるのかという問題です。
海外子会社へ役務提供した場合の原則は、次の通りです。
海外で役務を提供した場合:不課税取引
国内で役務を提供した場合:免税取引
特許権等はその権利の届国の役務の提供となりますので、日本の特許権であれば国内役務の提供ということになります。
先の例で言えば前者は不課税取引、後者は免税取引と言うことになります。
また、同じ業務委託料でも本社で子会社の事務処理を一部代行しているような場合(パソコンサーバーの利用等)は免税取引となります。
課税売上割合の算出に影響が出ます
不課税取引でも免税取引でも消費税が課税されない点については同じですが、課税売上割合を算出する計算式は以下となっていて不課税取引は算入されません。
課税売上割合=(免税売上+課税売上)÷(非課税売上+免税売上+課税売上)
この課税売上割合が95%未満だと、一部支払った消費税が控除できなくなることがあります。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。