「高年齢者の雇用状況」の集計結果
厚労省は高年齢者を65歳まで雇用する為の高年齢雇用確保措置の実施状況をまとめた平成29年「高年齢者の雇用状況」の集計結果を公表しています。それによると、昨年の6月1日現在、従業員31人以上の企業156,113社のうち雇用確保措置を実施済みの企業は99.7%(155,638社)で、70歳以上まで働ける企業は22.6%(35,276社)でした。
雇用確保措置とは高年齢者雇用安定法で60歳以上の高年齢者の雇用確保義務が定められたものです。
・65歳まで定年の引き上げ
・希望者全員を対象の継続雇用制度導入
・定年制の廃止
上記のいずれかの措置を行わなければなりません。
雇用確保措置の内訳と実施状況
前述しましたが雇用確保措置の実施企業は99.7%です。そのうち「継続雇用制度の導入」により雇用確保措置を講じている企業は80.3%、「定年の引き上げ」は17.1%、定年制の廃止は2.6%となっています。継続雇用制度を講じている企業のうち希望者全員を対象としている65歳以上の継続雇用制度導入企業は70.0%、対象者を限定する基準がある継続雇用制度導入企業は30.0%です。継続雇用先が自社のみである企業は94.1%となっています。
希望者全員65歳以上まで働ける企業状況
希望者全員が65歳以上まで働ける企業は75.6%で、大企業では55.4%ですが中小企業では78.0%です。また、66歳以上となると大企業では2.2%、中小企業では6.1%です。
一方で70歳以上まで働ける企業割合は22.6%で、前年比1.4ポイント上昇です。大企業では15.4%、中小企業では23.4%となっています。特に中小企業では前年比1.3ポイントも上昇しています。
年金受給年齢が上がる中、雇用確保措置とは言え元気で働く気のある高年齢者が増えれば、企業側も経験、意欲、能力、体力等に応じた配置や処遇を推進していくことが大事でしょう。