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2018年1月18日 平成30年度税制改正 消費課税・納税環境整備編

消費税と納税環境整備に関する主な改正項目を概観してみます。

●消費税について

消費税に関しては、個別企業の課税実務に大きな影響を及ぼす改正はありませんでした。改正は補完的なものです。

①消費税における長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等について延払基準により資産の譲渡等の対価の額を計算する選択制度は廃止されます。但し、経過措置が講じられています。

②簡易課税制度について、軽減税率が適用される食用の農林水産物を生産する事業者を第2種事業とし、そのみなし仕入率を80%(現行:70%)とする。

適用は、平成31年10月1日を含む課税期間からです。

③輸入に係る消費税の脱税犯に係る罰金刑の上限について、脱税額の10倍が1,000万円を超える場合には、脱税額の10倍(現行:脱税額)に引き上げる。

適用は、法律の公布日から起算して10日を経過した日以後の違反行為からです。

④外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充です。具体的には、「一般物品」と「消耗品」の合計で下限額の要件(5,000円以上)等を満たす場合には、外国人旅行者向けの消費税の免税販売を認める。

適用は、平成30年7月1日以後に行われる課税資産の譲渡等からです。

●納税環境整備について

改正の中心は、申告手続の電子化促進のための環境整備です。

大法人の法人税、地方法人税、消費税、法人住民税及び法人事業税の電子申告の義務化です。申告書は、確定申告書、中間申告書、修正申告書が対象で、消費税においては還付申告書も含みます。

上記の大法人とは内国法人のうち事業年度開始日の時において資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人並びに相互会社、投資法人及び特定目的会社をいいます。

なお、消費税については、国及び地方公共団体も含みます。

適用は、平成32年4月1日以後に開始する事業年度からで、消費税に関しては、同日以後に開始する課税期間からです。

なお、上記申告手続の電子化に伴って、法人税等の申告書における代表者及び経理責任者等の自署押印制度を廃止するなど幾つかの環境整備がなされています。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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