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2018年1月17日 平成30年度税制改正 法人課税編2

今回は、競争力強化のための税制措置を中心にその他の改正項目についても概観してみます。

株式を対価とする株式等の譲渡(株式対価TOB)に係る譲渡損益課税の繰延べ

現行の税制では、被買収会社の株主が買収会社の自社株式を対価とする買収に応じ、保有する株式等を買収会社に交付(譲渡)した場合、そこには金銭の交付はなく、実質は株式の交換であり、その交換は株式等の譲渡に該当するため、被買収会社の株主に株式の譲渡損益課税が生じます。

この税制が、企業外の経営資源、技術等を取り込み、特定の事業の再編等を迅速に進めていく上で弊害となっていました。

そこで、今回の改正で、特別事業再編(自社株式を対価とした公開買付けなどの任意の株式等の取得)による株式等の交付(譲渡)について、その交付に応じた株主に対する譲渡損益に係る課税を繰延べる、とする特例を創設しています。

なお、この特例は、産業競争力強化法の特別事業再編計画(仮称)の認定を同法の改正法の施行の日から平成33年3月31日までの間に受けた事業者の株式の取得の対価として、保有する株式等を交付(譲渡)した株式等に適用されます。

組織再編税制における適格要件の見直し

スピンオフの実施円滑化のため要件緩和の改正が行われています。具体的には、完全支配関係がある法人間で行われる当初の組織再編成の後に適格株式分配を行うことが見込まれている場合の当初の組織再編成の適格要件のうち完全支配関係の継続要件について、その適格株式分配の直前の時までの関係により判定する、としています。

また、事業再編を円滑にするため、当初の組織再編成の後に完全支配関係がある法人間での従業者又は事業を移転することが見込まれている場合にも、当初の組織再編成の適格要件のうち従業者従事要件及び事業継続要件を満たす、とする要件緩和の改正も行われています。

その他、無対価組織再編成についても、適格となる類型の見直し、非適格の場合の処理方法の明確化を掲げています。

その他の項目

(1)収益の認識基準等については法令上明確化する、(2)返品調整引当金制度及び長期割賦販売における延払基準の選択制度を廃止する。いずれも経過措置が講じられています。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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