記事投稿日:2017.11.09
目標管理制度における目標設定では、数量化が難しい「質的向上目標」の設定をしなければならないケースが生じます。
例えば、経営戦略上「マーケティング施策の質的向上」が重要とされ、経営目標として示された場合をモデルケースとして採り上げて見ましょう。
その場合、マーケティング部門では組織目標・達成基準の適切な設定が課題となります。
質的向上目標設定のカギ
「質的向上目標」以外の「成果の量的達成・業務プロセスにおける効果の量的達成目標」では、達成基準が数量的に設定しやすいと言えますが、「質的向上目標」では、
一般に次の課題解決がカギとなります。
①何をもって目標達成基準とするのか、達成度を評価する項目の設定(一般に複数の評価項目と評価基準・重要度ウエイト)
②客観的評価方法の設定 誰がどのように評価するのか、本人以外の評価者の決定 |
[質的向上目標・達成基準]例
目標:「商品展示会の効果性向上」
評価項目 | 評価基準 | ウエイト | |
顧客の反応 | 商談アポ件数 | 40% | 70% |
商品試用件数 | 10% | ||
デモ視聴者数 | 10% | ||
説明書受取り数 | 10% | ||
展示の質 | USP訴求展示(注) | 20% | 30% |
layoutの巧みさ | 10% |
(注)USP:Unique Selling Proposition(独自の売り提案)
客観的評価方法の設定
評価の公正性・納得性を確保するため、事実状況の観察に基づく客観的評価方法を設定する必要があります。
上記の例で、「顧客の反応」の評価基準については、客観的観察データで評価することができますが、「展示の質」の二つの評価基準については、自分達が共同で努力した結果である、展示の質について、最も経過の状況事実を知っている仲間の「相互フィードバック」による評価方法、例えば全員が参加し、5点法による採点で評価するような方法を採るのが適切です。
経営者・管理者の留意点
このような目標達成基準の設定・評価方法は、チームワークの強化にも役立ちます。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。