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2017年10月18日 製品開発費の回収方法の変遷と移転価格税制の歴史

移転価格税制の歴史(導入当初~20年)

日本に移転価格税制が導入されたのは1986年の税制改革においてであり、法人間の国際取引に限定して導入されました。規定が導入された当初は、主に米国法人の日本子会社を狙い撃ちする形で移転価格税制に基づく税務調査が行われました。この背景として、1980年代後半、米国で、税収増のため、外資系企業(特に堅調な日欧の自動車産業)に対する課税の強化が顕著となり、米国に進出したわが国企業の税に対する環境が厳しさを増してきたことがあり、その対抗措置でもありました。

上述の経緯で規定導入当初は日本に進出している外国法人の調査が主流でしたが、導入後20年を経過した頃には、日本法人が海外の製造子会社に提供した技術の対価を適正に収受しているか否かという点に着目した調査が増えてきました。

製品開発費の回収方法の変遷

1980年代後半以降、安い人件費による製造原価の引き下げと、発展途上国の消費増加の期待から来る市場開拓などで、わが国製造業の海外生産移転が進みました。

製品を開発するには膨大な時間と費用(=開発の人件費)が掛かっています。最近であれば、無形資産の評価で開発費を回収するという流れになってきています。しかしながら、20~30年前は、単純に製品対価に上乗せして回収するという方法が簡易で便宜的であるとされていました。そのため、東南アジアなどの海外市場で売る製品も、現地生産でありながら、帳簿上はいったん日本の本社で全部買い上げ、それを再度現地生産国周辺で販売するという形を取り、開発費の回収を図っていました。移転価格税制の規定がすでに導入されていたとはいえ、日本法人の国外関連者との取引価格にまでは踏み込まれてはいませんでした。

移転価格税制は国と国との税の分捕り合い

上述のように、最新論点は、BEPS(税源浸食と利益移転)行動計画8で論議されている無形資産の移転価格についてです。無形資産の開発に係る資金提供に対して期待される利益に関する具体的なガイダンスです。

移転価格税制とは、結局、簡単にいうと売側もしくは買側のどちらの国の利益とすべきかという話となります。各国間でお互いに納得できる移転価格算定方法を取決め、分捕り合いに費やす時間を無駄に使わないようにしようということなのですね。

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