記事投稿日:2017.09.12
日本経団連が、2008年度に提唱した「仕事・役割・貢献度に基づく賃金制度」を契機として、日本の企業では、旧来の年功賃金から役割貢献度賃金へ転換するケースが目立っております。
役割貢献度賃金の設計方法
この役割貢献度賃金では、仕事・役割に基づく貢献実績を評価した結果を賃金制度に反映しやすい設計としなければなりません。
管理職のケースで、代表的な賃金体系を例示しますと、図の通りとなります。
①月例給の賃金体系を役割給と貢献給(業績による経営貢献度を反映する給与)に区分します。
②役割給は課長・次長(または副部長)・部長等、役職の役割・責任に対して支払う給与で、一般に役職別単一給とします。なお、M1級~M3級を、所管部署の役割・責任の大きさ等からさらに細分化し、例えばM1級~M5級に区分する場合もあります。
③役割給は、目標管理制度などによる経営貢献度評価の積み上げで、昇給、または降給します。
(たとえば、「2年連続して、経営貢献 度評価A以上、役割変更で昇給」。「2年連続して経営貢献C以下で降格・降給」)
④貢献給は、管理等級別の重複型範囲給(各級別の給与額に範囲を設定、上位級と下位級の給与額が重複する設計)とし、各級に評価ランク別5段階の定額を設定、下表のように、毎年の経営貢献度評価に基づいて、級内で洗い替え(各級の範囲内で賃金の増額・減額)を行います。
[評価別適用貢献給例・単位千円]
評価 | S | A | B | C | D | 評価差 |
M3 | 600 | 550 | 500 | 450 | 400 | 50 |
M2 | 480 | 435 | 390 | 345 | 300 | 45 |
M1 | 380 | 340 | 300 | 260 | 220 | 40 |
貢献給(業績給)の割合で、インセンティブが大きく変化します。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。