記事投稿日:2017.08.09
役割等級制度は賃金・昇格その他の処遇決定の基軸となる重要な制度ですが、その決定方法は社員が公正性・納得性を感じられるようにしなければなりません。
等級基準の決定方法
欧米流に職務価値を論理的に分析、点数化して決定する方法がありますが、我が国では従来の社内格付け秩序との乖離が生じて社内に不満など混乱が起こりがちです。
ここでは役割貢献給の導入の基軸として社員の納得が得られやすい、一般社員の社内等級制度構築方法を紹介させて頂きます。
①社内等級基準は表に示したように、
・仮等級1~5等級を決める。
・直近数年の職種別・個人別業績・能力発揮の実態を調査し、1等級・5等級に相当する実績から、職種別に各級の役割・期待貢献・発揮能力を定義する。
・同様に3等級について定義し、次に4等級、2等級について定義すると、級間の比較、検討が進めやすい。
②営業職・企画職など、他の職種について も、①と同様に検討、定義する。
③目標管理制度の目標設定、チャレンジ度設定・貢献度評価に1~2年使用し、その実績から、等級と基準を補正する。
等級基準の定義方法 例(生産職)
等級 | 役割・期待貢献 | 発揮能力 |
5 | ・グループ統括
・生産性〇%以上 |
・工程改善技法
△△活用 |
4 | ・・・・ | ・・・・ |
3 | 生産数量100個/時間、不良率△以下 | ・中級生産技能
・管理図、相関図不良解析・改善、標準改定 |
2 | ・・・・ | ・・・・ |
1 | 生産数量70個/時間、不良率△以下 | ・初級生産技能
・特性要因図 ・パレート図不良原因解析・改善、標準改定 |
等級基準設定のメリット
このように、職種別の等級基準を検討し、職種間の調整を行うと、等級決定にあたって、社員の納得が得られやすい、目標管理制度における目標設定・貢献度評価の基準が明確になる、発揮能力定義から能力開発の目標が定まり、人材育成が進め易くなる等のメリットが生まれます。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。