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2017年8月22日 評価の上振れ対策

目標管理制度の運用でよくある問題点のひとつとして、「評価の上振れ」があります。すなわち、目標達成結果の評価において、一次評価者(管理者)が、誤った配慮を行い、被評価者に対して、実際よりも高い評価をしてしまう傾向を言い、部下に誤ったメッセージを送ることで、自己の能力開発努力を妨げるなど、好ましくない影響が生じます。その問題を掘り下げ、原因と対策について考えてみましょう。

上振れ評価の根本原因

その原因は、上司が「部下から評価結果について文句を言われたくない」「部下の努力を認めてあげたい」「有能な部下を囲い込みたい」など部下への配慮が原因とされますが、それらは表面的な原因に過ぎず、根本的原因は次のような点にあると考えられます。

①制度の目的と評価基準の曖昧性

目標管理制度の目的は「経営目標達成のための業績管理」にあり、したがって目標達成結果の経営貢献度(所属組織目標達成への貢献度)を評価基準として評価することが制度設計上不明確である。

②上司が確信をもって的確に評価するための公正性・納得性が高い評価材料が得られないため、自己の裁量による評価を行わざるを得ない。

納得性が高い評価の実施方法

評価者が自信と確信をもって評価を行い、部下の納得性も高い評価結果を得るには、次の点について徹底することが必要です。

①評価の目的・基準の整備

目標管理制度は経営目標を達成する業績管理を主目的としており、達成結果は、経営貢献度の大きさを基準に評価する。

②公正性・納得性を確保する評価材料

目標設定、運用を通じて協力し、お互いの組織目標達成への貢献行動・結果を良く知っている仲間の真摯な相互フィードバックを実施し、その情報を使い、自己評価・上司評価を行う。

③運用を通じた貢献意識の生成

経営貢献を意識した目標設定・問題解決・貢献度評価を行う。

経営者の留意点

評価の上振れの根本原因に遡って、上記のような対策を講じ、管理者が自信と確信をもって被評価者の経営貢献度評価を実施できるようにしましょう。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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