最近の目標管理制度では“貢献度”を重視した制度設計を行うケースが増えています。そこで、“貢献度”と言う概念が、どのように役立つのか、その意義を確認しましょう。
“貢献”の多面的な意義
“貢献”には、次のように様々な意義があります。
①上位目標への貢献
目標設定において、個々の社員の目標は、所属する組織・プロジェクトチームが設定した目標達成に貢献し、最終的には経営の最上位に置かれた経営戦略目標達成に貢献しなければならない。
このため、目標設定では経営戦略目標からカスケードダウン(段階的順次細分化)することにより、上位目標と下位目標を整合させる。
②役割等級に応じた貢献
与えられた職種ごとの役割等級に求められる成果責任や期待貢献・必要な職務遂行能力が定義され、それらにふさわしい貢献が必要になる。そのため、目標設定においては、所属組織・プロジェクトチーム内でメンバーがお互いに上位目標に貢献でき、役割等級にふさわしい貢献となることを確認することが必用になる。
③貢献度評価
目標達成度の評価は、上位目標の達成に対する貢献度で評価される。
そのため、個々の目標については達成度で評価しても、個人別の複数目標達成に対する最終的な総合評価基準は貢献度となる。
④貢献度評価の方法
貢献度評価で、最も重要な手段は、組織やプロジェクトチームに所属するメンバーの相互フィードバックである。
評価基準は貢献度であるが、共通の目標にチャレンジし、お互いの努力を良く知っているメンバー同士の真摯な相互フィードバックにより、その貢献を事実として認め合うところに、相互に信頼し合うチームワーク生成の価値が存在するのである。
経営者・管理者の留意点
①~④の“貢献”の多面的意義は、目標管理制度の年度毎の目標達成に役立つばかりでなく、その後、長期にわたって経営目標を達成し続ける組織の力となることに留意しましょう。