ビットコインなどの仮想通貨
仮想通貨は世界に600種類以上あり、その中の一つであるビットコインの時価総額は2兆円を超え、仮想通貨全体の7割を占めています。
3年前には「MtGox(マウントゴックス)」によるビットコイン横領事件があり、仮想通貨の世界は金融詐欺の世界なのではないかと疑心暗鬼になる人が多い中で、いつのまにか仮想通貨は、IT(情報技術)と金融を融合した「フィンテック」の象徴になっており、今や日本の銀行や証券会社も続々と参入し始めております。
仮想通貨はモノとの政府見解だった
昨年の今頃までは、政府の見解は、ビットコインには強制通用力がなく、取引の相手方が受け入れる限りで対価として利用可能なものなので、当然「貨幣」には該当せず、有価証券でもなく、消費税法上特に規定がないので、モノの売買として課税対象となる、ということでしたが、昨年の通常国会の終盤で資金決済法の改正があり、『仮想通貨』の定義がなされ、他の支払手段と同様のものであることが規定されました。
税制改正で消費税非課税(実質不課税)
これを承けて今年度の税制改正として消費税法施行令が改正され、仮想通貨を現金や小切手に類する支払手段の仲間に含めるとの規定にしました。この改正政令の施行日は、平成29年7月1日です。
6月30日までに買った仮想通貨は、モノの購入扱いなので課税仕入です。それを6月末までに代金の決済として使用したら、代金についての代物弁済として課税売上となります。7月1日以降に代金決済に使用したら、カード決済と同じ扱いになり、実質的には消費税課税対象外取引になります。
今だけの消費税節税策プラン
そうなると、6月30日に仮想通貨1億800万円を手に入れて、翌日7月1日にそれを使用処分してしまったら、1日で800万円の消費税節税ができることになります。
そんなことできるわけがない、そのシナリオには絶対アナがあり、そのアナに気付いてないだけなのではないか、と勘ぐってみたくなります。
でも、税制改正大綱や前記政令は、こういう取組みを想定していて、100万円ぐらいの取組みなら少額不追及、1ケ月以上前からの保有なら是認、と書いています。