介護サービス受給者500万人はもうすぐ?
介護保険制度では、「要介護状態」や「要支援状態」になった場合には介護サービスを受けることができます。
要介護状態 | 寝たきりや痴呆等で常時介護を必要とする状態 |
要支援状態 | 家事や身支度等の日常生活に支援が必要になった状態 |
平成28年11月分における「介護保険事業状況報告(暫定)」では、居宅サービス受給者は約393万人、施設サービス受給者は約93万人に上ります。
最近は確定申告の相談で、「要介護認定で障害者控除を受けることができるか?」という質問を受けるのは定番となっています。
要介護認定と障害者控除
結論から申し上げますと、残念ながら介護保険法の要介護認定だけでは、障害者控除の対象とはなりません。
これは所得税の規定で障害者控除の対象となる者が、事理弁識能力がない者や身体障害者手帳の交付を受けた者などに限定されており、要介護認定者について、直接の言及がないためです。
もともと、障害者に該当するかどうかを実質的に判定することは専門医でなければ困難です。そのため、所得税の規定では、身体障害者手帳への記載の有無等によりできるだけ形式基準により判定することができるように配慮されています。
とはいえ、明らかに身体障害者手帳に記載される程度の障害があると認められる方もいらっしゃいます。そこで、介護保険制度の要介護認定者のうち、精神又は身体に障害のある65歳以上の者で、障害の程度が知的障害者又は身体障害者に準ずるものとして市町村長や社会福祉事務所長に障害者として認定を受けた場合には、障害者控除の対象となることとされています。
市町村等により障害者控除の遡求認定も
この場合、市町村長や社会福祉事務所長が交付した「障害者控除対象認定書」に遡求して認定する旨の記載がある場合には、その認定の年分から障害者となることになります。もし、遡求認定期間に障害者控除を行っていない場合には、過去5年間について期限後申告・更正の請求を行うことができます。