19年ぶりの日本人横綱誕生で4横綱体制に
横綱稀勢の里の誕生で、3月の春場所は白鵬、日馬富士、鶴竜を含め4人の横綱が居並ぶ豪華番付になります。実力が拮抗しているとすれば、千秋楽まで優勝が決まらず、同じ星で3人が優勝決定戦を争う巴戦という状況も十分期待できます。大相撲ファンにとってはうれしいシナリオともいえます。
巴戦で稀勢の里が優勝するためには
(1)巴戦の優勝確率
〇〇海、〇〇山、〇〇川が千秋楽で巴戦を戦うこととなりました。抽選の結果、最初の対戦は〇〇海対〇〇山と決まりました。〇〇海、〇〇山、〇〇川が優勝する確率はどうなるでしょうか?(単純に考えると、実力が同じなら、1/3の確率ですが……)
〇〇海、〇〇山、〇〇川が、優勝する確率をそれぞれp、q、rとすると3人合わせた確率は100%=1となるため、
①…p+q+r=1となります。
いまの対戦で勝った力士(仮に〇〇海とします)が優勝する確率は、次の対戦で1/2の確率で勝って優勝するか、1/2の確率で負けてもqの確率で優勝する可能性が残されているので、
②…p=1/2+1/2q
また、いまの対戦で負けた力士(仮に〇〇山とする)が優勝する確率は、1/2の確率でまだrだけ残っているので③…q=1/2r
①②③から②に③を代入すると
p=1/2+1/2×1/2r=1/2+1/4r
1=(1/2+1/2×1/2r)+(1/2r)+(r)
→1/2+1/4r+1/2r+r→4=2+r+2r+4r→2=7r→r=2/7となります。
よって最初の対戦を観戦して2戦目から参戦する〇〇川が優勝する確率は2/7となります。最初に対戦する者(○○海と○○山)の確率は同じですから、(7/7-2/7)÷2となり=2.5/7→5/14となります。最初の対戦で戦う2者の優勝確率はそれぞれ5/14となりますが、最初の対戦を観戦して2戦目から参戦する者の優勝確率は2/7→4/14となります。
最初の対戦で戦う2者の優勝確率は同じですが、最初の対戦を観戦して2戦目から参戦する者の優勝確率は若干低くなり不利といえます。
(2)優勝のためにくじ引きに全力投球!
一見同じ確率に見えても、数字で分析すると違った姿が見えてきます。ビジネスの世界でも数字を使って考える大切さは一緒です。