組織開発とは、組織に所属する人々が、進んで困難な課題・問題解決に取り組む主体性とチャレンジ意欲、様々な知恵と工夫を生かす創造性、問題・課題解決のベクトルを合わせ、強い信頼関係と協力関係をもつ共同で実行する組織を作ることで、業績管理を目的とする目標管理では不可欠であることは言うまでもありません。
その原点を認識しておくと、組織開発の着手・推進・進化に有益です。
組織開発の原点とは
組織開発の原点は次の4点にあります。
①関係者全員が参加する
②“三現主義”(現地で現物を見て、現実に即して状況事実をとらえる) ③関係者が重要な事実を共有する ④バーチカル・フル・ジョブ(Plan‐Do‐Check‐Actionのワンサイクル業務)で課題・問題解決に取り組む |
4つの原点を生かす組織開発
組織開発は、例えば目標管理における「共同目標の設定と推進」のような、具体的課題に即して展開すべきです。すなわち、
①目標設定のステップでは、上位目標を理解するには、その背景・ねらいなどについて理解すること(上位目標を対象とする三現主義の疑問点の理解・共有)が必要になり、その上で自分達の課題を明確化し、目標設定(数値化できない目標設定の創意工夫等)を行います。
②また、目標達成プロセスでは「障害事実の発見と共有・排除策の創意工夫」や「目標達成に有利な要因の把握と活用の工夫」が必要となり、全員による状況事実の発見・共有、複雑な問題の場合には、個々の問題の共通性・類似性を共同で発見してグルーピングしつつ共有し、5~6グループに集約した上で、根本原因から最終結果へ至る因果関係を把握、要約し文章化する方法をとります。
経営者・管理者の留意点
このような、「共同目標設定、達成プロセスの問題解決、目標達成度の評価・反省・次期目標(Plan)への反映」のバーチカル・フル・ジョブを通じて、“三現主義”・事実の共有が全員参加の下で行われ、組織開発の四つの原点が生かされ、組織開発が進展することに留意して取り組みましょう。