最近よく聞く「一丁目一番地」
最近、政治家が「一丁目一番地」という言葉を口にするのをよく耳にします。意味としては、「一等地」というより、「最優先事項」として用いられているようです。「一」「一」とリズムが良いので、スローガンとして使いやすいのかもしれません。
また、昭和32年から40年にかけて、NHKラジオで放送されたドラマ「一丁目一番地」の明るい主題歌を思い出された方もいるかもしれません。若き日の黒柳徹子さんが出演されていました。
「一丁目」と「1丁目」どちらが正しい?
さて、この「一丁目」。漢数字で書くのが正しいのか、算用数字(アラビア数字)で書くのが正しいのか悩まれたことはありませんか? 「地番」「本籍」「住所」のどれを記載するかにもよりますが、「住所」でいえば、実は「一丁目」と漢数字で表記されるものは、「住居表示に関する法律」(昭和37年施行)に基くもので、町名の一部(固有名詞)なのです。
住居表示には、「街区方式」と「道路方式」の二つの方法があり、多くの自治体は「街区方式」を採用しています。この場合、「街区符号」と「住居番号」で住所を表示することとしています(町名は漢数字、街区符号・住居番号は算用数字が用いられます)。
町名 | 街区符号 | 住居番号 |
〇〇一丁目 | 1番 | 1号 |
算用数字で表記されるケースとは?
ただ、この住居表示の実施状況は市町村でもまちまちです。そのため、住居表示未実施の地区は、上記と表記が異なります。
この場合、地番を住所として扱うことが多いのですが、地番でなく住所を表すことを示すため「番地」と表現されます(「号」は使用しません)。
たとえば、横浜市の場合、古くから開発されていた都心部は、「住居表示に関する法律」以前に土地区画整理などで字界字名変更が行われた際に設置された字名を用いているため、算用数字で表記します。
【横浜市の場合】
町名 | 字丁目 | 番地 |
〇〇 | 1丁目 | 1番地 |
どちらにしても、住民基本台帳法などの「特例扱い」で、算用数字で表現しても構わないこととなっていますので、市役所から発行される住民票などは算用数字で表示されることもあります。