資産課税の主な改正は、次の通りです。
●財産評価の適正化
1.取引相場のない株式評価の見直し
①類似業種比準方式による株価の算出方法について、(イ)類似業種の上場会社の株価については、2年間の平均を選択可能に、(ロ)比準要素である、配当金額、利益金額及び簿価純資産価額に連結決算を反映したものとする、(ハ)比準要素のウエイトを「1:1:1」(現行1:3:1)に、(ニ)会社規模の判定基準について、大会社及び中会社の適用範囲を総じて拡大する。
②株式保有特定会社の判定基準に、新株予約権付社債を加える。
2.広大地評価の見直し
面積に応じて比例的に減額する現行の評価方法から、各土地の個性に応じて面積・形状(奥行、不整形)等に基づき評価する方法に見直し、適用要件を明確化する。
この改正は、上記1の①は平成29年1月1日以後、1の②と2は、平成30年1月1日以後に相続等により取得した財産の評価からの適用です。
●相続税等(贈与)の納税義務の見直し
相続税等の納税義務の範囲については、相続人等又は被相続人等の住所要件が10年(現行:5年)以内に改正、②住所が一時的である外国人同士の相続等については、国外財産を課税対象にしない、③日本に住所及び国籍を有しない相続人等が、過去10年以内に日本に住所を有していた被相続人等から相続等により取得した国外財産は課税対象とする(短期滞在の外国人を除く)。
この改正は、平成29年4月1日以後の相続等からの適用です。
●医療法人の持分放棄と贈与課税
持分あり医療法人が持分なし医療法人への移行計画の認定を受け、一定の要件を充足した場合、当該医療法人の持分放棄に伴う経済的利益には贈与税を課さない、とする改正がなされています。適用については、所要の措置を講じた後となっています。
●タワマン課税の見直し
居住用超高層建築物(タワマン)に課す固定資産税については、階層別専有床面積補正率(1階を100として階が1つ増すごとに39分の10を加えた数値)を適用した課税に改められます。
改正は、平成30年度(平成29年4月1日前に売買契約が締結されたものを除く)から新たに課税されるものに適用されます。