“価値共創”とは、「企業が様々なステークホルダーと協働して、共に新たな価値を創造すること」を指す場合が多いのですが、ここでは企業内で生み出す“共創価値”の必要性と方法について述べます。
経営管理における“価値共創”
社員が働き甲斐を仕事の中に見出し、自主的に挑戦意欲をもって取り組むことは、社員の活躍を期待する企業にとって、かけがえのない重要事です。
そこには、「自分が担当する仕事そのものよりも、仲間と協働して生み出す仕事の喜びと言う価値を感じられること、つまり“価値共創”の実感」が重要な意味をもっています。
近年は、我が国の少子化・労働力人口減少を背景として外国人労働者の増加、女性労働力の活用が進んでいることからも、多様な文化や価値観を受け入れた新しい“価値共創”が不可避、かつ必要になっており、この傾向はさらに強まってゆくでしょう。
“価値共創”の法則性
“価値共創”を実践するには、次の法則を知り、活用することが必要です。
① “価値共創”実現の志を持った「共創型リーダー」の存在
② 「異質な知を融合して、新しい知を創出する“共創”の実践技術」活用 ③ 多様な人々の参加による、“三現主義”に基づく重要な事実の発見と共有 ④ 全員発言・全員思考と相互啓発 |
“価値共創”を成功させるためには、とりわけ「共創型リーダー」の活躍が不可欠で、いわゆる「自分の決断で、組織を引っ張る強いリーダー」とは異なる次のような新しいタイプのリーダーが必要になります。
① 生み出したい“共創価値”の具体的イメージ仮説を持っている。
② 社員の体験で得られた事実や、多様な知識・技術に基づく創意工夫の発表、真摯な討論を通じて、それらを融合した“共創価値”の合意形成へ誘導する技を持っている。
③ 自らのイメージ仮説を、社員の発言・討論に基づいて、柔軟に変化させ、合意形成へ収斂させることができる。
このような共創型リーダーは、個別企業経営者自身が務めるか、社内で適任者を発見し、“価値共創”の実戦体験を積ませて育成するのが社外に委託するより得策です。