記事投稿日:2016.11.11
通常、年1~2回行なわれる昇格・昇進は人材育成の成果で、有能な人材を育成した結果として、企業経営を支えて活躍する機会を与え、かつ相応に処遇することです。
なお、昇格とは、等級制度における等級を上げることであり、昇進とは役職を任命することです。
昇格・昇進の審査基準
一般には、次に例示するような基準を設定して審査を行ないます。
[昇格基準]
①直近1年間の業績・能力の総合評価が5段階A~EのAまたはBであること
②現在の等級における在籍期間(例:上位等級では12カ月以上、下位等級では6カ月以上) ③昇格後の等級に期待される貢献度が期待できるか ④業績貢献に至るプロセスで、実際に行なった工夫・施策・周囲への影響・自社の共通の価値観に基づく行動 ⑤上位等級では、上記項目についての面接審査結果 |
[昇進基準]
①昇進ポジション(役職)で活躍するための等級を得ているか
②配置先のポジションで活躍が期待できるか(適性・環境適応力・ストレスに対する耐久力・家族状況による制約・必要な場合は語学力等) |
経営者の留意点
新しい事業分野への昇格・昇進では、次のような点に留意しましょう。
①管理職・専門職の複線人事で、昇格・昇進目標と、キャリアルートを社員に示し、主体的な能力開発を図ること。
②新規事業に関するポジション、海外事業所のポジション等への配置を行なう場合は、「入学方式」(入学試験のような制度)をとり、現在処遇のまま、新しいポジションにつかせ、特定期間における業績・貢献度・実際の発揮能力を評価した上で昇進させること(昇進後に期待外れに起因して、降格が生じ、大きなモラールダウンや退職に至る等のトラブルを避けることができる)。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。