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2016年10月24日 租税回避策、税理士に開示義務

租税回避とは

日本での解釈としては、脱税は違法な行為、節税は予定された合法行為、租税回避は合法だが行為計算否認規定により不当な行為とされる可能性のあるもの、です。

でも、完全親会社が子会社に自己株を取得させて欠損金創出をした上で更正期間経過後の欠損金利用可能期間に連結納税を選択したIBMには租税回避の意図は認められないと判決されています。

他方、適格組織再編の特定役員引継要件を充たすための形式的な役員就任では役員の実質を備えていないとして、YAHOOは租税回避のための規定の濫用をしていると判決されています。

両判決は、むしろ反対の結論だった方が整合性があります。一般に、租税回避は100%“NO”とも“YES”とも言い切れないグレーゾーンと解されており、その定義的解説はますます難しくなっています。

英語では

英語でも、Tax Saving は節税の意味で、これが問題視されることはありません。

それに比べ、英語でTax Avoidance と言われるものは、不当な租税回避行為、とのニュアンスで理解されているようで、日本語の租税回避よりもネガティブです。

米国では、Tax Planningは大きな市場をもっており、Tax Planning商品のことをTax Shelterと言い、これには必ずしもネガティブなニュアンスはありません。

米国では、Aggressive Tax Planning としての商品たるAbusive Tax Shelterと言われる、過激な、過度な Tax Shelterが問題視されています。

国際的潮流としての問題視

2015 年10 月5日に公表されたOECDの「税源浸食と利益移転(BEPS)プログラム」の最終報告行動計画12 では、「Aggressive Tax Planning」について、政府への報告を義務化すべしとしています。

最近の新聞報道によると、日本でも、租税回避策を実行したら、そのスキームを税務当局に報告すべしとの制度が来年度の税制改正で立法化されるようです。実施は2018年度からで、報告義務違反には罰則があり、租税回避策を作る税理士や租税回避策の提供を受ける企業が報告義務の対象になり、報告義務の有る税理士は顧客企業のリストの提出も求められます。

掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。
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