記事投稿日:2016.08.02
民放連CM「それ、違法です。」
「TV番組をアップロードしちゃいけないの、知らなかった?」「グレーかもしれないけど、ギリギリセーフなんて思ってたんじゃないの?」―俳優の遠藤憲一さんを刑事役に起用した日本民間放送連盟の「放送番組の違法配信撲滅キャンペーン」のCM。
2015年1月から随分と長い期間、放送されています。最後の「それ、違法です。」のキャッチコピーも印象に残り、TV動画等の違法アップロードの注意喚起には、とても貢献しているのではないでしょうか。
だけど「何の法律に違反しているの?」
ただ、このCMで「違法」というのは印象付いているのですが、「どんな法律に違反するのか?」といわれると少し心許なくなります。そのあたりも民放連HPでは、丁寧に説明しています。
テレビ番組をインターネット上で公開する場合は、上記の権利者およびテレビ局などの番組製作者から「複製権(または録音・録画権)」「公衆送信権(または送信可能化権)」等について許諾を得る必要があります。これらの許諾を得ずにテレビ番組をインターネット上で公開すると、関係権利者の著作権等を侵害することになります。(一部引用) |
具体的には、アップロード側がネット上のサーバーに著作物をデータ保存することが「複製権」の侵害で、アップロード自体も「送信可能化権」の侵害となるようです。
「送信可能化権」って何?
この「送信可能化権」というのは、インターネットなどで著作物を自動的に公衆に送信し得る状態に置く権利のことであり、平成9年の著作権法改正の際に導入されました。この著作権の「送信可能化権」の使用にあたっては、著作権者の許諾が必要であり、その対価は「著作権の使用料」に該当するため、所得税の源泉徴収の対象となります(10.21%~20.42%)。
具体的には、ネット動画のストリーミング配信事業でデジタル動画の制作者に対して支払う対価がそれに当たります。微妙なのは「WEB掲載のための写真の報酬」。
こちらは印刷物に掲載するための「写真の報酬」(源泉税の対象)にはあたらないのですが、公衆送信権(送信可能化権)の使用に該当する可能性があるようです。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。