記事投稿日:2016.07.07
“ベンチマーク”とは、「社会の物事のシステムのあり方や規範としての水準・基準など」を意味しますが、企業における課題解決を図る場合は、「競合他社などの優れた経営手法(ベストプラクティス)を持つ企業を分析するプロセス」を指し、さらにそのような「優れたシステムそのものを自社版に置き換えて応用すること」を指します。
目標管理制度改善の“ベンチマーク”
“ベンチマーク”を目標管理制度の改善、改革に応用するケースで考えてみましょう。
目標管理制度は、重要な経営管理システムのひとつで、業績管理制度ですから、一般的には次のような課題が挙げられます。
大きな視点から課題を設定する場合
①目標管理制度の活用目的明確化 ②目標管理制度のコンセプト設定より具体的な視点で課題を設定する場合 ③目標設定の方法 ・経営貢献度を高める目標設定 ・効果的な共同目標の設定方法 ④目標達成プロセスのマネジメント ⑤ 評価基準の設定方法 ・貢献度評価の方法 ・絶対考課・相対考課の使い方 ・チームワークの公正な評価方法 ⑥人事賃金制度との関連付け ・目標管理制度と等級制度の関連 ・目標管理制度と賃金制度の関連 ・目標管理制度と人材育成制度の関連 |
自社の目標管理制度の運用実態に基づいて、「どこが、どのように問題なのか」を見据え、その解決を課題とすべきです。
“ベンチマーク”の手順・ポイント
改善・改革を必要とする課題を明確にした後の手順は、次の通りです。
①課題に関する他社の目標管理制度に関する情報を、外部の事例発表会・専門情報誌・講演等から収集する。
②他社情報から得た情報を評価する。(自社の課題を解決できるか。) ③“ベンチマーク”とすべき優れたシステムを特定する。(単一とは限らない。) ④自社のシステムを改善・改革する具体案を作成する。 ⑤改善・改革したシステムを一定期間実際に適用して、効果を検証する。 |
単なる“真似”に陥らず、的確に自社の課題解決を実現することが大切です。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。