記事投稿日:2016.07.29
“管理者は権限を持ち、指揮命令する偉い人”だと管理者が自認し、一般社員からも、そのように見られている企業は様々な障害を持つ問題企業であると言えます。
“管理者は偉い人”の問題点
このような管理者が多い企業では、次のような問題が生じ、企業衰退の原因を作り出します。
①組織上下のコミュニケーションは、上から下への指揮命令が最重視され、主体性を持たない“指示待ち人間”が増加する。
②上司迎合型・従属型の型にはまった社員を生み出し、自ら問題意識をもって仕事に取り組む主体性の高い社員は疎外される。 ③社員の意識が企業内部の“上司の指揮命令内容”に向けられ、最も重要な顧客満足の問題等、外部環境の変化からそれてしまう結果、重要な問題を見落とす。 ④管理者間の権利意識が衝突し、組織間の障害が起きやすく、正常な連携が図れない。 ⑤組織運用が管理者の価値観次第で、硬直的になり、社員の問題意識を起点とする改革・革新が生まれない。 ⑥長期的視点で見ると、自ら問題を発掘し、主体性をもって解決しようとする頼もしい人材の育成が図れない。 |
このように、“管理者は偉い人”と言う管理者と社員の認識は、それが強く、多いほど、会社に悪い影響を与えます。
“管理者はつらい人”
本来、管理者は、所管する組織が果たすべき機能に応じた業務上の責任と権限を持ち、常に業務目標の達成へ向けて、緊張感・危機感をもって取り組まなければならない“つらい人”です。したがって、社員の問題意識・主体性・バイタリティーを引き出すリーダーシップが求められており、それには、前項の問題点とは逆の状況を生み出すマネジメント能力が必要になります。
経営者の留意点
この意味で経営者は、“最もつらい人”であると言えます。その責任を果たすため、「目標管理制度の運用過程は、同時に実践的な管理者のマネジメント能力向上の場である」ことを認識して管理者の人材育成に活用したいものです。
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