記事投稿日:2016.07.28
建物附属設備・構築物の「定額法」一本化
平成28年4月1日以後に取得をする建物附属設備及び構築物・鉱業用の建物の償却の方法については、「定率法」が廃止され、次の償却方法が適用されます。
①建物附属設備及び構築物(鉱業用を除く) … 定額法
②鉱業用減価償却資産(建物、建物附属設備及び構築物に限る) … 定額法又は生産高比例法 |
この改正に伴う留意事項を少しまとめておきましょう。
資本的支出は旧定率法資産への加算は可
現行法令では、資本的支出は、原則として、「新規資産の取得」とみなされますが、次の2つの特例が設けられています。
①既存資産が旧定額法・旧定率法
既存資産の取得価額に資本的支出の額を「加算」して償却 ②既存資産が250%定率法・200%定率法 資本的支出の翌事業年度に、既存資産の帳簿価額と資本的支出の帳簿価額を「合算」して新規資産として償却 |
②の取扱いは、既存資産だけでなく、資本的支出も「定率法」である必要があるため、今後の建物附属設備の資本的支出については①のみが適用されます。
取得時期 | 既存資産償却方法 | 資本的支出の原則 | 取得価額に加算等 |
~H19.3.31 | 旧定額法
旧定率法 |
定額法 | 旧定額法
旧定率法 |
H19.4.1~ | 定額法
250%定率法 |
定額法 | ― |
H24.4.1~ | 定額法
200%定率法 |
定額法 | ※経過措置あり |
H28.4.1~ | 定額法 | 定額法 | ― |
ただし、経過措置により、既存の建物附属設備・構築物に200%定率法を適用している場合には、平成28年3月31日以前に支出した資本的支出を、平成28年4月1日以後開始事業年度に既存の建物附属設備・構築物の取得価額に合算することができます。
既存資産の償却方法変更も申告期限でOK
また、今回の改正に伴い、建物附属設備等の償却方法と統一するために、償却方法を「定額法」に変更する会社もあるでしょう。この場合にも経過措置が設けられており、変更事業年度の申告期限までに届出書を提出すれば、既存資産についても「定額法」への変更が認められます。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。