役割等級制度では、役割に伴う成果責任等を定義し、その実績の経営貢献度を評価して、給与、その他の処遇を決定します。
この貢献度評価の考え方、方法は、社員のやる気に大きな影響がありますので、よく検討して設計・運用することが必要です。
貢献度評価の先行モデル
貢献度評価と運用のあるべき姿を説明するために、近年の実例を先行モデルとして紹介させて頂きます。
① 外資系、インターネット関連事業をグローバルに展開する企業のチーム目標達成に対する業績貢献度を評価する「貢献マネジメント」。
② 狙いは以下の3点
ⅰ)チーム業績重視
ⅱ)チームでの振り返り促進、真摯なフィードバックから社員同士で学びあう
ⅲ)相互のフィードバックに基づき、チーム全体への貢献度を総意で決定
③ 目標設定においてチームとしての大きな目的・目標を達成することやチームヘの貢献度を重視し、社員は、上位方針、同じ部署、プロジェクトチームメンバーの中で設定した目標が「チームとしての大きな目標、それぞれの等級に期待される役割」に応じたものかを互いに確認の上で目標を設定。
④ 設定した業績目標達成時やプロジェクト終了時に、一緒に仕事をしたメンバーとともに振り返りを実施し、お互いの貢献度についてフィードバック、各自の貢献度を自己評価(4段階・絶対評価)。
⑤ 年間の業績評価は④の社員の自己評価と各社員の360度フィードバック結果をインプット情報として、上司が4段階の絶対評価。
⑥ さらに本部単位で、同一等級毎に相対評価、最終的な貢献度評価(4段階)を決定。
「貢献マネジメント」の特色
この「貢献マネジメント」の特色は、次の点にあります。
① 通常の個人業績・目標達成度評価ではなく個人の業績が如何にチーム業績・部門業績に貢献したか、に焦点をあてている。
② 目標設定の段階からチームとしての目標達成・チームへの貢献を重視している。
③ チームメンバー相互の真摯なフィードバックと自己評価が、被評価者の納得性を高めている。
経営者・管理者の留意点
「貢献マネジメント」から学び、自社の目標管理制度、評価制度を見直すことをお勧め致します。