記事投稿日:2016.04.26
“作業手順書”は規定された品質・効率をもつ製品やサービスを完成させるために、必要な作業内容・手順を文書化したものです。同じ目的を持つ文書に“標準書”がありますが、“手順書”は“標準書”の一部分を、より詳細に具体的に記述したものです。
“作業手順書”の機能と作成方法
【機能】
①複数の作業者が、同レベルの品質・効率を実現できるように訓練する基準。(初任者の技能向上、熟練工の育成)
②作業のミス・漏れをなくし、無駄を防止する手順を示す。
③作業手順の中から、品質や効率を阻害する問題点を発見して改善を行なう。
④「毎年1回など、頻度は少ないが、重要な業務」の手順を誤りなく実施する。(例:年1回の株主総会の準備、実施)
【作成方法】
“作業手順書”の作成目的を設定する。
自社で定めた様式に従って、必要な作業を具体的に(固有名詞・数詞を使って)、作業順に記述する。各作業の処理時間を設定し、記載する。
(注)作成イメージは次表の通り。
【作業手順書の作成イメージ】
[目的] ○△バルブの製造
No. | 作業 | ツール | 所要時間 |
1 | ○○の準備 | 2分 | |
2 | △を□にセット | 1分 | |
3 | 径8mmまで研磨 | 研磨剤A | 5分 |
中略 | |||
20 | 完成チェック | チェックシート | 5分 |
“作業手順書”の活用法
①初任作業者の訓練、及び作業者の熟練度向上訓練・認定に用いる(完成品の品質と、所要時間で効果を計測)。
②品質問題の発生原因、作業スピードの問題点等を手順の中から特定し、改善手順を作成、適用することにより、品質の安定、生産性向上に貢献する。
経営者・管理者の留意点
作業担当者が理解、納得している手順書が本当に役立つ良い手順書です。作成時や改善時に、実際に作業に携わっている作業者の参加を求め、衆知を集めて作業手順書のブラッシュアップを図りましょう。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。