記事投稿日:2016.04.12
“バランススコアカード(BSC)”は、近年経営戦略の策定や目標管理制度の目標設定・評価尺度設定によく利用されており、上手に活用すると、重点思考の経営管理を行うことができます。
“BSC”とは
“BSC”とは次の4つの視点から、目標・業績評価指標・ターゲット・具体的プログラムを設定することを言います。
視点 | 各視点の意味 |
財務の視点 | 株主や従業員などの利害関係者の期待にこたえるためにどのように行動すべきかの指標を設定 |
顧客の視点 | 企業のビジョンを達成するために、顧客に対してどのように行動すべきかの指標を設定 |
業務プロセスの視点 | 財務的目標の達成や顧客満足度を向上させるために、優れた業務プロセスを構築するための指標を設定 |
学習と成長の視点 | 企業のビジョンを達成するために組織や個人として、どのように変化し、能力向上を図るかの指標を設定 |
視点ごとに5~6個の指標を見極め、自社にとって意味があり、自信が持てる指標を設定することが求められます。
すなわち、評価尺度の正当性が“BSC”アプローチを成功に導く鍵となります。
“BSC”活用・4つのポイント
このような“BSC”を実現するためには、
そこに参加する“人の力”を最大限に引き出して活用しなければなりません。その4つのポイントを次に挙げます。
1.“三現主義”(現地・現場・現実から得た情報を重視すること):社員が市場や、社内の現場で、見聞きし、体験したことから知った問題点・成功の事実情報の活用。
2.参加:日々第一線で、顧客やモノの現実に接している社員の参加を求めること。
3.共創(衆知を集めて新しい価値を創出すること):1~2に基づいて社員間で自由闊達な討論を行わせ、新しい知識・情報を得て“BSC”の目標・業績評価指標・ターゲット・達成プログラムを創出する。
4.経営戦略策定、目標設定において、経営者・管理者が適切なファシリテーションで、1~3のプロセスを誘導し、全員の合意形成を図ること。
このような努力の積み重ねが組織の力を最大化する経営管理を可能にします。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。