原則的な個人番号の取り扱い
扶養控除等申告書は平成28年1月以降に従業員本人や扶養親族の個人番号(マイナンバー)を記載しておく事になっています。新しい申告書に個人番号の記載欄が設けられているのを確認されたと思いますが、原則はその記載の内容が前年と同じ番号であっても記載する事になっています。扶養控除等申告書の法定保存期間は7年間ですから給与計算事務担当者にとって、個人番号が記載された申告書を安全に保管しておく事は会社としても負担となるものです。
国税庁が発表した記載省略措置
このような事情も考慮して、国税庁は平成27年10月28日に公表された内容においては給与支払者と従業員との間で合意に基づき、従業員が扶養控除等申告書の余白に「個人番号については給与支払者に提出済みの個人番号と相違ない」旨を記載した上で、既に会社が受け取っている個人番号を確認している旨を扶養控除等申告書に表示すれば、申告書提出時に本人が番号を記載しなくともよいと認めています。
実務的な取り扱い
前述のような文を従業員本人が記載する事は考えにくいので、会社の方で前述のような文、「個人番号について相違ない」旨を印字して従業員に渡すか、シールを貼るかゴム印等も考えられます。他には別紙にその文を記載した用紙に記名、押印をしてもらう事もできるでしょう。会社側の確認については確認印欄があると良いでしょう。
就業規則等の合意の取り決め
扶養控除等申告書に個人番号の記載を省略する事は会社と従業員との合意によるので就業規則に記載する、合意書を取り交わす等が必要です。規則にのせる文章は「従業員の個人番号については給与支払者に提出済みの個人番号と相違ない」旨を記載、「会社は従業員から受領済み個人番号を確認し、確認した個人番号の記載を省略できる」としておくと良いでしょう。
会社が個人番号を受領し、確認している事が前提ですので税務事務としては扶養控除等申告書に付記して提出できる状態で番号を管理しておく必要はあるでしょう。