労働基準監督署の行う調査の種類
労働基準監督署の行う調査にはいくつかの種類があります。「定期監督」「申告監督」「災害時監督」「再監督」等です。
「定期監督」とは年度ごとに重点業種の重点項目を決めて行う調査です。必ずしも法令違反の事業所と言うわけではありません。対象の業種等に該当したと言う事です。 まず書面で通知があり日時が指定されますのでその日に管轄の監督署へ書類を持参します。法令違反があった場合には調査をした監督官から是正勧告書が出される事があります。また、監督官が事業所に来訪する場合もあります。
「申告監督」は労働者の申告を受けた場合に調査を行います。事前連絡をしてくる場合と、予告せず直接来訪する場合もあるようです。申告内容で調査項目は違いますが、誰が申告したかは告げられません。申告監督は定期監督よりは厳しくチェックが入りますので、例えば未払い残業代等があれば全社員2年遡り支払いが命ぜられると言う様な場合もあります。
「災害時監督」は労働者災害が起きた場合に行う原因究明、再発防止の為の調査です。
「再監督」は一度是正勧告後、是正報告がなされ、一定期間経過後に確認を行うためのものです。
どんな調査をするのか
①賃金や時間外労働手当が適正に支払われているか、未払い賃金や手当はないか、労働時間管理をしているか、時給者の賃金は最低賃金を下回っていないか等をチェックします。
②休日や年次有給休暇を取得させているか、慢性的に長時間労働になっていないか等をチェックして防止、予防策を求められます。
③残業がある時は時間外労働協定届が出されているか、賃金台帳、出勤簿、労働者名簿は作成されているか、労働条件は明示されているか等がチェックされます。
④10人以上事業場では就業規則の作成届出がされているか、内容が法令や事業所の現状と適合しているか等チェックがあります。
⑤安全衛生関連では年1回以上の健康診断(深夜業は年2回)は実施されているか、50人以上事業場では衛生管理者、産業医等の選任届出、新しくストレスチェック制度が始まりますのでこの先はここも見られるようになるでしょう。