記事投稿日:2015.12.11
役割・成果責任に基づく処遇制度を導入し、役職者を「マネジメント職群」と「上級専門職・上級技能職群」に区分して制度設計を行なう場合で、後者の「上級専門職・技能職群」の給与制度について、設計のあり方を述べます。
上級専門・技能職群の給与制度設計
「マネジメント職群」の成果責任が組織目標の達成にあるのに対して、上級専門職・技能職群の役割は、個人のパフォーマンスによって組織目標の達成に貢献することにあります。そこで、そのモチベーションを高めるため、例えば右の表に示したような制度を設計、適用します。
①専門レベルに応じて設定した等級別基準本給
②等級別業績給(組織目標の達成に貢献した成果の評価に基づいて決定する給与)。習熟を考慮して「積上げ方式」を採用、各等級内で、成績の高さに応じて昇号、または降号する。等級内の高い昇給ゾーンになるほど、成績の高さ(低さ)による昇号のメリハリを利かせ、全対象者の昇給額の平均がゼロとなるように成果給テーブルを設計、適用する。 |
【上級専門職・技能職の給与制度(例)】
給与体系 | 金額設定 | 支給基準 |
基準本給 | 専門等級・1~5等級別範囲給テーブル | 専門レベルの高さ(困難度等)に応じてテーブル適用 |
業績給 | 範囲給テーブルの設定、ゾーン(高・中・低) | 業績の高さ(目標達成度等)とゾーンの位置に応じて昇号。テーブル適用(注) |
(注)業績給テーブルの昇号基準(例)
ゾーン | 業績の高さ | ||||
C | B- | B+ | A | S | |
高 | -4 | -2 | 0 | +1 | +2 |
中 | -3 | -2 | +1 | +2 | +3 |
低 | -2 | -1 | +2 | +3 | +4 |
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この給与制度の効果と留意点
業績の改善による本給のベースアップを行なわなければ平均昇給額(平均昇号数)はゼロとなり、「基準基本給+平均業績給」の平均値は変わらないので、総額人件費管理が容易となりますが、評価基準の整備・運用における公正性・納得性確保を通じて、趣旨徹底に留意しましょう。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。