知識集約型産業社会となった日本の現状では、専門人材の知的生産性の差は3倍に及ぶと言われています。
知的生産性の違いは、業務処理の時間効率の問題とも言えますから、この問題について考えて見ましょう。
社員の時間効率向上法
個人の時間効率が上がる要因は、仕事に対する“意慾と集中度”にあります。
それらを上げる主な方法は働き手が次の点に努力することです。
① 自分にとって興味が湧く、得意な技術・技能・経験が活かせる分野のテーマ・目標を設定し、自分の専門能力のさらなる向上、キャリア形成の機会を得る、すなわち成長する期待を持つことで仕事に対する意欲を生み出す。目標管理制度における目標設定時がその好機として活用できる。
② 集中度は、①で生まれた意慾が基本的に影響して高まるが、時間予算の重点配分でさらに高めることが出来る。具体的には、仕事を重要度(例えばA~Cランク)で区分し、1年間・52週間の時間予算を割り振る。
③ 週単位・日単位の時間予算配分でも、仕事の重要度区分に応じて配分し、週・日ごとの集中度を高める。
④ ②③の前提として、業務単位(例えば目標設定した業務・ルーティン業務の単位)に、達成目標から逆算して、細分化した仕事の段取りを作成しておく(最少2時間単位の作業までブレークダウンすると、集中しやすい)。
⑤ パソコンソフトやTV会議システム・IPフォーン会議などを活用、コミュニケーション効率を上げ、時間の無駄を省く。
経営者・管理者の留意点
目標設定時に、企業戦略、部門目標を社員によく説明し、質疑応答などで十分に理解させると、個々人はその中で自己の成長機会を自ら見出し、意慾を持って取り組みたいテーマ・目標を発見します。
このような“経営参加”は、社員の主体性・創造性を高め、時間効率を上げることにもなります。このような機会をおおいに作りましょう。