どのように問題解決に取り組んだらよいか悩んでしまう複雑な問題は、しばしば戦略策定、重要な目標設定などの場合に現われます。その際の経営者・管理者の問題解決アプローチ法を紹介します。
複雑な問題対処の原則
まず、問題の実態を的確に判断しなければなりません。そのためには“三現主義“(現地で、現物を見て、現実に即して判断する)で調査することが必要です。
人間は“見ようとしなければ見えない”
性癖を持っており、漫然と調査にかかるのでは見落としが発生しますから、経営者または管理者の指導の下で、次のように調査計画を関係者全員で立てると良いでしょう。
① 関係者をグループ(最低2名のペア)に分け、「どこで何を調査するか、調査計画」を30分程度のミーティングで検討、作成、模造紙等に書いてもらう。
② 各グループの調査計画を順に発表し、聞き手は「どのグループのどこが問題か、または改善すべきか」具体的に指摘できるように聞く。(発表開始前に要請)
③ 発表したグループ順に、聞き手の指摘を受ける。この指摘は単純明快に“ズバリひと言30秒”の要領で行なう。指摘を受けるグループは“反論なし。(人の話をよく聴こう。)”指摘箇所に赤マーク。
④ 指摘点を整理、各グループで必要と思う調査計画の修正を行なって調査に入ること。調査結果は“見える化(写真・図解等)”をし、さらに調べたいことを付け加えて○月○日に発表(スケジュール設定)
徐々に鋭く問題の実態に迫る
1次調査の結果から、さらに調査したいことを判断し、2次調査を行ないます。
① 1次調査の結果を模造紙に書き、各グループの発表を行なう。聞き手の聞き方、問題等の指摘は前述と同様。
② 2次調査計画を立て、調査を実施(調査内容は1次調査より鋭くなる。)
③ 2次調査の結果発表、指摘の交換では、多くの場合、全員の“あ!そうだったのか”という気付きが生まれ、問題の核心が明確になっている。
経営者・管理者の留意点
人は行動し、考え、発言する中で成長し、健全に競争し、問題解決能力を高めて行くもので、このような衆知を活用するアナログ的手法が効果的です。