記事投稿日:2015.02.13
目標管理制度における目標達成度評価の公正性・納得性を確保するために、多くの企業で「評価のしくみ」が考えられていますが、ここでは、その評価に用いられるロジックと留意点を述べます。
目標別達成度評価のしくみ
個別の目標達成度評価の代表例を挙げれば次のようなしくみが考えられています。
[目標別達成度評価のしくみ例]
難易度レベル | 目標達成度 | |||
目標を超える達成 | 目標達成 | やや未達成 | 未達成 | |
高い | S | A | B | C |
標準 | A | B | C | D |
低い | B | C | D | D |
S~Dの評語は、個別目標の難易度に対する目標達成度に対して与えられ、5~1点に点数換算します。(S=5点~D=1点)
難易度レベルは、担当者の役割・等級に求められている標準能力に比較して、その目標達成に必要な能力の高低を指します。(例えば3等級の担当者が、上位・4等級の標準能力を必要とする目標達成に取り組む場合、難易度が「高い」と判定します。
[注意点] この難易度レベルは、外部環境の変化や担当者にとって操作できない社内の与件変化などプロセスの状況変化に応じて変わるため目標達成度評価の最終段階で判定しなければ公正性・納得性が確保できません。
目標達成度総合評価のしくみ
複数の目標について達成度を総合評価するしくみは次の通りで、個別目標達成度の加重平均値です。(Σ:シグマ・足し合わせる)
担当者の目標達成度総合評価点=Σ[個別目標の重要度ウエイト(%)×達成度点数] |
経営者・管理者の留意点
目標管理制度は業績管理制度であることから、目標別達成度評価のしくみで示したような評価を達成プロセスで実施し、3カ月に1回程度は「○○君は難易度が高いにも関わらす目標達成を実現しつつあり、中間評価はA」「△君は難易度が標準であるにも関わらずやや未達成で、中間評価はCに止まっている」などと事実状況を全員に公表し、社員の意慾を高めたり、発奮させたりすることが上策です。その結果、最終評価がより向上することは疑いありません。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。