記事投稿日:2015.01.30
管理者にとって、目標管理制度で義務づけられた面接は、「忙しいのに面倒だ。」と思われており、実際にも多くの時間を要しているケースが多いようです。通常、面接時間の標準は60分と言われていますが、これを30分、出来れば10分で切り上げたい、と考えている管理者もいるのではないでしょうか。
単純な面接時間短縮の問題点
面接は、主に目標設定・進捗管理・達成度の確認と評価における上司と部下の合意形成を目的としており、そのためのコミュニケーションが出来る時間の確保が必要です。単純な面接時間の短縮が、コミュニケーションの欠落・合意形成の失敗に終わってしまえば、本来の目的を果たせず、面接時間の無駄が生じるばかりか、目標管理の運用失敗につながることになります。
面接時間短縮の条件
面接時間を短縮し、しかも合意形成を成功させ、マネジメントの効率を改善するには、次の二つの条件が必要、不可欠です。
【条件1】「本人に基本的に重要な事柄が理解されていること」、目標設定面接を例にとれば、本人が目標設定会議などで経営戦略・経営目標の背景・主旨、自部署目標と自からの役割・果たすべき貢献・目標と達成基準のイメージが事前に理解出来ていれば、面接での合意形成スピードが速まり、面接時間は短縮出来ます。
【条件2】「日常の報告・連絡・相談がうまく行なわれ、重要な問題が都度解決されていること」、したがって中間面接を待つまでもなく、目標達成阻害要因が排除されており、面接ではその確認程度で済ませることが出来ます。 それは目標達成度確認・評価面接の場合でも同様で、達成度や評価の認識にズレが生じなければ、面接は確認程度で済みます。 |
経営者の留意点
管理者に「面接は面倒だ。」と言う意識があれば、それを利用して、上記のような、目標設定会議、日常の報連相など、個別の面接以前のコミュニケーション充実を図るよう管理者を指導しましょう。また、管理者の集合研修を行ない、目標設定会議、中間フォローアップ会議の効果的、実践的な進め方などのノウハウを与えて支援するのも、「マネジメントの生産性向上」につながる良策です。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。