現状は満足 将来は不安
H25年版厚生労働白書より、若者と結婚に関する意識についての調査結果を見てみたいと思います。
現代の若者は一見厳しい時代に生きている様ですが、若者自身は現状を悲観しているというわけでなく現在の生活に満足している者は63%以上もいます。しかし、日本の将来が明るいかと言う問いに対しては、財政、社会保障、経済、雇用等に対する不安を反映して45%の人が明るいとは言えない、35%の人がどちらとも言えないとしています。
結婚に関する意識
晩婚化や未婚率が上昇し、少子化に影響を与えています。結婚離れの背景には、結婚の社会的規範の薄まり、恋愛結婚の増加も一因です。結婚するのが当たり前のような社会の圧力は弱まり、結婚は人生の選択肢の一つであり、結婚するもしないも個人の自由と考え、それゆえ多様な選択肢の中で理想の相手を見つける事が困難になっています。しかし結婚したくないわけでなく結婚願望は9割の人が持っている状況です。
結婚へのハードル
結婚相手に求める収入を見てみると若年層では無職や非正規雇用の労働者は正規雇用の人よりも結婚意識が低い状況です。年収300万円未満では婚姻率は1割にもなりませんが300万円から400万円未満では25%と300万円が一つの壁となっています。 又、異性の友達がいない人は男性では6割、女性で5割に上っており、結婚相手が身近にいない人が多いと言えます。
若者の望む結婚・子育て
結婚後も女性に働いてほしい割合は男女とも増加しています。その為か男性の家事、育児能力も求められています。
夫婦の理想とする子供の数は2~3人持ちたいと思っているものの晩婚化の影響により第1子出生時の母親の平均年齢が30.3歳と上昇しており、結果的に希望の子供数は持てず、平均1.96人に留まっています。年齢が若い夫婦の場合は経済的な理由が大きく、やはり希望の数は生めない傾向です。
夫婦間でも家事、育児の課題を共有する事が大切と言う意識もわずかながら広がりつつあり、若い世代の姿勢も少しずつ変化しています。