生産業務や事務系の業務などで、「やるべき業務が決まっており、ミスなくスピーディーな業務遂行が求められている定型業務(ルーティン業務)の目標」はどのように設定したら良いか、といった問題がよく起こります。
また、同じ定型業務であっても、受注入力業務のように全く同じような仕事を複数の担当者で分担するケースや、生産ラインのように工程別に同じ手作業を複数の担当者で分担し、そこに単独の設備運転作業等が加わって製品工程・チームとして決められた期間の生産計画量を達成するケースなどがあり、目標設定には工夫が必要です。
チーム目標・個人目標の組み合わせ
このような定型業務の目標は表に示したように「ルーティン業務」と「改善業務」に区分して考え、「チームとして協力して達成する成果目標」と「個人として努力し、チームの成果に貢献する目標」の二つの面から設定することにより、チームとしてのやる気を引き出すと同時に担当者個人のやる気も高めることができます。
例えば生産ラインではルーティン業務として作業標準と生産計画に基づいて、品質基準に合った製品を、定められた工数で期限までに達成すること、さらに改善業務として作業の能率を向上する創意工夫を行い、作業標準を改定・生産コストの低減を図る目標設定などが求められます。
【定型業務の目標設定区分】
区分 | チーム目標 | 個人目標 |
ルーティン業務 | 量・品質・期限に関する計画の達成 | チーム目標達成に貢献するスキルレベル向上 |
改善業務 | 効率向上、コストダウン等改善計画の成果 | チームの目標達成に貢献する改善 |
また、同時に担当者個々の設備操作・メンテナンス技能・作業スキルのレベル向上、改善の創意工夫など「チーム目標達成に貢献する個人目標設定」が求められます。
定型業務目標設定の効果
このように定型業務においてチーム目標と個人目標を関連付けて設定すると、「日本企業の特色・全体と個が調和しつつ進歩する現場主義の業務推進・成果創出」に寄与する目標設定が出来、現場のモチベーション持続・モラール向上が図れます。