記事投稿日:2013.11.15
日本企業の人事賃金制度の基軸として、現在役割等級制度が広がりを見せています。
この等級制度は、社員個々の仕事が持っている役割を明確にし、次の3点を実現することを目的として設計します。
① 役割に応じた会社への貢献を引き出す。
② 役割・貢献実績に応じて実力主義の賃金(給与・賞与)を支給する。 ③ 貢献実績に基づき、さらに高い貢献を期待して新しい役割を付与する。 |
役割等級の要素
役割等級は、組織における仕事の役割を
次の3つの要素
1.仕事に必要な知識・技術・経験
2.解決すべき課題(例:○○商品の市場拡大) 3.達成責任(例:○○商品の売上高向上) |
で定義した上で、経営への期待貢献を明らかにし、それらの重要度・困難度レベルの区分によって等級を定めるものです。
等級決定までの手順
その手順概略は以下の通りです。
1.現在の組織図に基づいて、個々の社員が担当する「仕事名」(○○部・△△課長、▲▲担当)をリストアップする。(かなり多くの仕事名がリストアップされる。)
2.職種別・職位別に代表的な仕事を選定し、フォーマットを決めて3項目の具体的内容を書き出す。 3.代表的な仕事の役割要素から、同種の仕事の役割要素を推定して書きだす。 4.全ての仕事について、ABCなどの評語を用いて経営上の重要度ランク、困難度ランクを判断、記述する。 5.会社の仕事全般を良く知っている複数の 人(役員・管理者・監督者など)が、仕事の重要度(経営への貢献度)・困難度(所管する社員・予算、顧客との折衝など)のランクを相対的に比較して等級で区切る。(等級の数は、中小企業では 一般に役員・管理職層で3等級程度、一般社員で3等級程度、合計6等級前後) |
経営者の留意点
役割等級作成は現状の慣行を見直す重要で難しく、手数がかかる業務なので、通常業務全般に詳しい複数の担当者を選任、目的の説明はトップ自らが行い、かつ検討プロセスでの問題解決、結論の承認を行なうべきです。
掲載日時点の法令等に基づいて記載しており、最新の制度と異なる場合があります。