延滞税に関する原則規定
国税通則法の延滞税に関する条文には、
①期限内申告書を提出しながら納付国税をその法定納期限までに完納しないとき
②法定申告期限後に未納税金があるとの修正申告書を提出したとき
などその他の場合に、法定納期限からその国税完納日までの期間に応じ、その未納の税額に年14.6%の延滞税を課す、と規定されています。
二つの延滞税軽減規定
ただし、納期限までの期間又は納期限の翌日から2ヶ月間については、延滞税率を7.3%とする、との規定があります。
さらに、法定申告期限から1年超後の提出となる修正申告の場合は、その法定申告期限から1年を経過する日の翌日から当該修正申告書が提出日までの期間を除いたところを延滞税の計算対象期間とする、との規定もあります。
こんな事例ではどうなる
申告期限後5年目のところで税務調査があり、増差税額のある修正申告を提出し、1ヶ月後に納税を済ませたとすると、延滞税の計算対象期間は修正申告書提出までの期間が1年超なのでその部分は1年に圧縮されます。
修正申告書提出の場合の納期限はその提出日なので、納期限後1ヶ月の増差税額納付は別途延滞税の計算対象期間となります。
どの税率がどの期間に課せられるのか
国税通則法では、法定納期限以後は14.6%、ただし、納期限以後2ヶ月間は7.3%となっているので、先の例では、延滞税の計算対象期間の最初の2ヶ月と最後の1ヶ月は7.3%で、残りの10ヶ月は14.6%となるのでしょうか。そんなふうに読んでしまいそうですが、「納期限までの期間」は7.3%という規定があるので、本例の場合は全部の期間が7.3%になります。
法定納期限と納期限の使い分け
国税通則法や国税徴収法は「法定納期限」について、その各第二条で定義規定を置いているのですが、「納期限」については特に定義していません。しかし、両者は異なるものとして使い分けられています。
措置法に税率の特例がある
なお、上記の7.3%については租税特別措置法に「公定歩合+4%」(現在は4.3%)とする特例規定があります。また、来年からは14.6%部分も含めた大幅な改正が施行されることになっています。