目標設定は、最終成果を目標とする以外に、しばしば成果に至るプロセスの行動を目標化した方が適切な場合があります。
・営業部門の売上高・自社製品シェア・見積成約率など
・製造部門の生産量・稼働率・歩留り・不良率など
のように目標を数量的成果で表して設定できるケースがある一方、
・営業部門であっても、既存契約先ニーズの発掘件数・当社新製品情報の提供件数・見積提案件数、成約の障害発見と対策実施件数など最終的な売上につながるプロセスでの行動の量
・製造部門の改善提案採用実績件数など最終的に生産コストダウンにつながるプロセスでの行動の量
と言ったプロセスの重要な行動に着目し、量的に表現してプロセス目標とすることが適切な場合が多いのです。
プロセス目標設定の効果
このような場合、例えば「売上高の向上目標(成果目標)と同時に、それにつながる営業プロセスでの行動の量をプロセス目標として設定する。」と言ったように、成果とプロセスの両面から目標を設定すると次のような効果があります。
①日常的な営業努力の殆どは、プロセスの行動に費やされるので、プロセス目標は担当者にとって自分の行動と直結する極めて分かりやすい目標になる。
②プロセス目標設定の巧拙は日常行動の巧拙に表れ、最終成果・売上高向上目標達成の成否に直結する。 |
プロセス目標設定の仕方
このようなプロセス目標を設定するには、プロセスでの行動をフローチャートなどで可視化、分析し、それらの中から成果をあげるのに効果的な行動を抽出する方法が採られます。
例えば、営業部門担当者の最終成果・売上高を上げるプロセス行動は、一般にセールスステップ(営業における案件発掘から成約に至る行動の繋がり)で表され、その中に「案件発掘・顧客ニーズの把握・見積提案・成約の障害対策」など重要な行動が含まれています。このようなプロセスでの重要な行動は、他職種でも同様に考えられ、通常それぞれの職場で経験があり、能力が高い担当者がすでに知っている場合が多いので、その経験則を開示してもらい、プロセス目標を設定すると良いでしょう。